多国籍軍
■多国籍軍参加表明について、首相が会見をしたが、「説明はたったそれだけ?」(東京新聞/社説)というのが感想なわけで、やはり、ブッシュ大統領の顔を見て「条件反射」(by岡田克也)で参加を表明したってことだろう。
■産経新聞/社説「首相会見 方向は正しいが説明不足」
参加については支持するが、首相の説明は十分とはいえなかった。で、この後「しかし、いま、イラクから自衛隊を撤退させて喜ぶのはだれであろうか。日米同盟を危機に陥れるだけでなく、世界的なテロに対抗する陣営を総崩れさせかねない。テロに屈した日本は侮りを受け、逆にテロのターゲットになる可能性すらある。その意味で首相の判断は間違っていない。」というお決まりの脅し文句が続く。産経の頭の中では「イラク支援=自衛隊のイラク滞在」しかありえないようだ。まぁ、ようは外国に軍隊をおくりたいだけなのだが。
自衛隊の多国籍軍参加は初めてで、日本の安全保障政策の転換点ともいえる。これまでアフガニスタンでの多国籍軍の艦船に給油などを行い、イラクに自衛隊を派遣してきたが、多国籍軍の一員とは位置づけてなかった。憲法で禁じているとされる武力行使と一体化する恐れがあるからだった。
今回は、「多国籍軍の統合された司令部の指揮下に入らない」ことを米英両国が了承し、これにより、イラク復興支援特別措置法の枠内での自衛隊の活動が担保された、としている。
首相はこうした説明を行ったが、明解さを欠いていた部分も少なくなかった。航空自衛隊が米兵などを輸送する任務と多国籍軍の指揮との整合性についての質問に、「各国と協力する」というのでは答えになっていない。
自衛隊の活動が憲法の枠内にとどまる根拠についても、イラク暫定政府のヤワル大統領からの自衛隊派遣の継続要請があったからだという説明では国民は理解できまい。
■産経のもう一つの社説は「テレビ朝日和解 報道の責務を再考したい」であり、拉致被害者家族会や長崎の小六同級生殺害事件を挙げて「刺激的なタイトルをつけた映像に思わせぶりな効果音と思い入れたっぷりのナレーションをかぶせる。これを繰り返すと視聴者の判断に強い影響を与えかねない。」とテレビ批判。だが、自身の「報道の責務」はまったく考えていないようだ。自身が支持したアメリカのイラク侵攻は検証しないのかい?それを「いま撤退したらイラクはどうなるのか」の脅せば、国民が納得するとでも?それこそ「説明不足」じゃないですか?
■ところで、小沢一郎がこの決断をどう評価するのか注目しているのだが。支持表明しないの?